岡田准一主演「来る」の単なるホラー映画で終わらない面白さ
- 本記事では「来る」の感想記事になります。核心的なネタバレは避けましたが、気になる方はご注意ください。
先日「来る」を観てきたんですが、ひさびさに映画で感想を書きたくなりました。
結論から言うと、面白い作品でした。行ってよかったです。
ホラーとしてはあまり怖くなくて、ホラー映画ファンとしての期待はやや裏切られたわけなんですけど、それでも面白いってのは、実はこれとんでもない映画だったんじゃないかと思わざるを得ないんですよね。
本記事で「来る」の自分なりの感想を語りました。
総合評価&あらすじ
わかりやすく俳優でいうと、
- 妻夫木聡と黒木華が新婚夫婦で、子供も生まれるんですけど、妻夫木とその家族が何度も三重の妖怪「ぼぎわん」の脅威に晒される。
- そこで妻夫木はオカルトライターの岡田准一と霊能力者キャバ嬢の小松菜奈に依頼して助けを求める。
まあこんな感じで、妻夫木は妖怪から逃げ切れるのか!?みたいな展開です。
この映画の、ここが良かった
冒頭で書いたように、ホラー映画としてはあんまり怖くないんです。
それでも観てよかった!と思うのが、「人間の怖さ」にフォーカスしているところですね。「来る」がただのホラー映画では終わらない面白さがここにあります。
ホラー映画には珍しく、人間の内面や関係まで深く描写されている
前半30分以上が妻夫木の幸せなストーリーを不穏な雰囲気を残しつつ進行していきます。
ここでかなり妻夫木と妻の黒木華の人間性がわかると思います。
これがまた、他人から見ると幸せで順調そうに見えるんですが、どこか違和感というか、とにかくうまく作り込まれててすごいんですよ。
妖怪とかホラーとか置いといて、この絶妙な人間関係に引き込まれてしまいました。
本当に怖いのは妖怪ではなく、人間かもしれない
この映画は3部作で、1部が妻夫木、2部が黒木、3部が岡田の視点でストーリーが進行します。
ここで面白いのが、1部から2部になり、妻の黒木視点で見た世界では妻夫木がガチクズすぎるんですよね。
俯瞰してみれば同じ人間に見えるんですが、視点を変えるだけでこんな変わるか?って。
ほんと、驚くぐらい別人のように。
「“得体の知れない脅威”が忍び寄るホラーの王道」のみならず、「"今まで正義だと思っていた人間が、角度を変えてみた時に全くの別人に変わる"という人間の怖さ」を描き、高い評価を得たとされる
Wikipedia
これ、現実世界のあの現象と同じじゃん!
でも、妻夫木は妻夫木で妻から見えない良さがあったわけで、結局は妻夫木も妻も自分の損得でしか見れていません。(妻夫木の妻ってマジでややこしいな!)
そう、これは例えるなら「女友達の元彼の愚痴を聞くとどう考えても元彼が悪いように思えてくる」あの現象は、つまりそういうことなんだと。
元彼も実は悩んだり、良いところがあったと思うのに(なんの話これ)
まとめ:ブロガーである僕が映画を通してブロガーに伝えたいこと
最後に全然関係ないんですけど、作中で妻夫木が育児ブログにハマってるわけですよ。
で、「結構アクセスあって、ママからのコメントがたくさん来てて」みたいになって、ブロガーとしては何万PVくらいあるのか気になってたんですけどそれは置いといて
妻夫木はブログの中では「良いパパ!」と言われ、それを読んでるリア友にも褒められ、良いパパですね!と妻にも声をかけているんですが、
それは全くの幻想で、ブログに書きたいから外食に連れていき、ブログに書きたいから子育て教室に行くみたいな。
肝心の子育てを全く頑張ってないという真実があったんですよね。
ここまでとは言わないけど、体験をブログに書くのか、ブログに書きたいから体験しに行くのか、僕もそこらへん曖昧になってしまっているけど、大事なことは見極めて生活したいですね。
僕はこの映画の中で子育てブログのことが一番怖かったです。