ジャンプ歴10年のファンが独断と偏見で選ぶ面白い「打ち切り漫画」10タイトル

面白い打ち切り漫画というのは一見矛盾のある表現に思われますが、週刊少年ジャンプは短期間で人気の出ない作品は早々に打ち切られてしまいます。

そこで今回はタイミングや読者層に恵まれずに埋もれていった10作品を紹介したいと思います。

ただ、ジャンプはどんなに連載期間が長かろうと最終的にはほとんど打ち切り作品になってしまうため（最近の円満終了はNARUTOこち亀レベル）、

今回は連載が1年以内に終了したジャンプ作品のみ「打ち切り漫画」として扱います。

というわけで『保健室の死神』や『左門くんはサモナー』なんかもめちゃくちゃ良いんですが、これらは1年以上続いていたため、機会を改めるということで。

それではいきましょう。

ものの歩 

ものの歩 コミック 全5巻 完結セット

要領が悪く、周りから否定され続けてきた高校一年生・高良信歩。彼の引っ越した下宿先は、なんと“将棋のプロ"を目指す人達が暮らす場所だった。将棋に触れ、楽しさを見つけた信歩が歩む、全力青春将棋譚開幕!!

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作者の池沢春人先生は次あたりでヒット作を持ってきそうなくらい、連載する度に面白くなっている気がします。

そんな中で一番推したいのがこの「ものの歩」。

「要領が悪い」というのは一見すると欠点のようですが、「些細なことにも手が抜けない」ということであり、将棋においては重要な才能になり得るというところから作品の色がでています。

私の最も好きな漫画「ヒカルの碁」を読んだ時も同様に、将棋が分からなくても分かりやすく攻防が描かています。

ただ最新作の「ノアズノーツ」は微妙でした。

シューダン！

シューダン! 1 (ジャンプコミックス)

サッカー王国と呼ばれる静岡で少年団に所属している小学六年生・桜田創始は、チームメイトと一緒になんとなくサッカーを楽しむノンガチ勢! そんな少年団にある日、女の子が入団することになり──!?

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ジャンプではヒットしないと言われる「サッカー漫画」をなぜか定期的に連載させる編集部。

そんな中でも近年連載された「少年疾駆」「マイスター」「LIGHT WING」「ドイソル」「オレゴラッソ」「TOKYO WONDER BOYS」（抜けがあったらごめんなさい）などのサッカー漫画の中では「シューダン！」が一番サッカーしてたと思います。

個人的には小6特有の心理や行動が上手く描かれていて懐かしさもあって楽しく読めたんですが、しっかりサッカーやるとなると他誌の「アオアシ」や「DAYS」が強すぎるため、長期連載は難しいのかなと思います。

その点バレーをきっちり描いてる「ハイキュー!!」は凄いし、突き抜けた「黒子のバスケ」はそれはそれで凄いですよね笑

とにかく今回の「シューダン！」では終了を惜しむファンが多く、横田卓馬先生はかなり才能の塊だと個人的には思うので次作を期待します。

初恋限定。

初恋限定。 コミック 全4巻完結セット (ジャンプコミックス)

愛の告白に憧れるあゆみは、見た目が凶悪な高校生・財津操から告白を!?　でもあゆみが気になっているのは、なんと操の弟の財津君で…。恋に憧れる男の子、女の子のドキドキワクワク色んな初恋物語、スタート!!

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「初恋限定。（ハツコイリミテッド）」は「いちご100%」の河下水希先生の作品で、事実上の打ち切りにはなったものの、連載終了後にアニメ化やドラマCD化が決定したりと、ラブコメ漫画の傑作であることはまず間違いありません。

「いちご100%」が男一人に対して沢山の女の子が登場するいわゆる"ジャンプのラブコメ"なのに対し、「初恋限定。」は複数のカップルのオムニバス形式になっていて読んでて色んな意味でめんどくさくないです。

このオムニバス形式がジャンプ読者層にウケなかったのか打ち切りになってしまいましたが。

今回紹介する10作品の中で最も漫画として完結しているタイトルとしてオススメできます。

わっしょい！わじマニア

わっしょい!わじマニア (ジャンプコミックス)

AmazonやWikipediaを探してもあらすじがどこにもなかったので自分で書きますね。オムニバス形式のギャグ漫画です。

賛否の分かれる作品なので「わっしょい！わじマニア」を語ることは非常にデリケートな問題です。

それを承知で言わせてもらうと、「わっしょい！まじマニア」をクソ漫画と揶揄することは、自ら面白くない人間だと宣言しているようなものなので気にしないで読んでみてください。

あえて外す笑いというのはかなり高度であり、ジャンプ読者層全員にウケるのは難しいと思うので打ち切りは避けられなかったと思います。

HUNGRY JOKER

HUNGRY JOKER

記憶喪失の天才少年科学者・ハイジは助手の鳥居大路千歳と共に記憶の手がかりである“光る死体"と“黒いリンゴ"の謎を追う! ある日、街で発見された“光る死体"を調査する2人に魔の手が…!? 怪奇科学冒険譚、開幕!!

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「HUNGRY JOKER（ハングリージョーカー）」の面白いところは、「エウレカ」と呼ばれる歴史的な遺物がキーアイテムとして登場する点です。

主人公はニュートンのリンゴというエウレカを齧ることで重力を操ります。

作中では「ニュートンはこのリンゴを食べたことで重力を理解した」という設定になっています。

他にもピタゴラスの金槌やメンデルのエンドウなどのエウレカが登場し、史実を改変して作品にうまく落とし込まれており読んでいてワクワクするファンタジーバトル漫画でした！

作者の田畠祐基先生は現在「ブラッククローバー」を連載中ですが、あのタイミングで打ち切られていなければ今頃は「HUNGRY JOKER」がそれ以上のヒット作になっていたかもしれないと今でも思います。

詭弁学派、四ッ谷先輩の怪談。

詭弁学派、四ツ谷先輩の怪談。 コミック 1-3巻セット (ジャンプコミックス)

四ツ谷先輩とは、怪談噺と引き換えに、怪奇事件を解決すると噂される“幻の生徒"! 中島真は行方不明の親友を捜そうと彼の下へ…。世間を震撼させる連続幼女殺人事件との関連は!? 迷コンビ誕生の第1巻!!

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こちらもジャンプとしては異色の作品。

ジャンプの掲げる友情・努力・勝利という方程式はありませんが、ホラーテイストの内容と絵柄がとてもマッチしていて作品の世界に惹き込まれます。

作者の古館春一先生が現在連載している「ハイキュー!!」とは全く毛色の違う作品になっているため、両作品を読み比べてみるのも楽しそうです。

LIGHT WING

LIGHT WING―ライトウイング― 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

四ツ谷先輩とは、怪談噺と引き換えに、怪奇事件を解決すると噂される“幻の生徒"! 中島真は行方不明の親友を捜そうと彼の下へ…。世間を震撼させる連続幼女殺人事件との関連は!? 迷コンビ誕生の第1巻!!

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2ちゃんねる等で話題になったぶっとんだ内容のサッカー漫画。

サッカーものとしてはあんまり練られてないので期待しない方が良いと思いますが、とにかく登場人物やセリフのクセが強すぎるのでぜひ一読を。

↑この画像とかもう訳がわからないと思いますが、読んでも分かりません。（そこが面白い）

バディストライク 

バディストライク (ジャンプコミックス)

バッテリーを組んだピッチャーは、最高の球を投げられるかわりに魂をとられて死ぬ──。死神と恐れられるキャッチャー・安導 要と、ノーコン豪腕ピッチャー・荒狼 亮が出会う時、甲子園への扉が開かれる…!? 直球青春野球ストーリー、開幕!!

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現在ジャンプ+で配信されている「青のフラッグ」が「次にくるマンガ大賞」Webマンガ部門3位を獲得したりと勢いのあるKAITO先生。

「青のフラッグ」も面白いですが、個人的にはこの「バディストライク」の連載が続いて欲しかった…

絵柄がすごくいいので、前作の「クロスマネジ」もおすすめです。

逢魔ヶ刻動物園

逢魔ヶ刻動物園 コミック 全5巻完結セット (ジャンプコミックス)

逢魔ヶ刻――。暗くなり、「魔に逢う」とされる時間。動物好きの蒼井華は、憧れの飼育員になるため、山奥の動物園に初めてのアルバイトへ向かう。しかし、日が暮れ始める頃…!? ようこそ、逢魔ヶ刻動物園へ!

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今やジャンプの看板を背負う人気マンガ家として活躍中の堀越耕平先生。その初連載が「逢魔ヶ刻動物園」です。

新人離れしたバトルシーンの臨場感とかキャラクターの個性が凄くて、全ジャンプファンに「凄いやつ出てきた！」と思い知らせました。

動物園というタイトルからギャグ漫画っぽいイメージを受けると思いますが、コメディありバトルありで本当に動物園のように楽しい作品になっています。

現在連載中の「僕のヒーローアカデミア」が好きなら絶対読むべき。

ダブルアーツ

ダブルアーツ コミック 全3巻完結セット [マーケットプレイス コミックセット]

あんたがこの手をとったらオレはもう絶対その手は離さない!!　死の病「トロイ」が蔓延する世界――巡回僧のエルーは、病の発作を起こし死にかけた所を少年・キリに救われる。何故か彼と“手を繋いでいる間”だけは発作を止められることがわかり…!?

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正直、「ダブルアーツ」を終わらせた当時の編集部は本当に無能だったと思います。（当時の連載陣が面白い作品ばかりだったのもありますが）

古味直志先生のファンタジーを待ち望んでいるファンが全国に大勢いることを伝えたい。

絶対にファンタジーを描くためにいるマンガ家だと思いますし、ラブコメなんて描いている場合じゃなかったのですが「ニセコイ」の長期連載で確実に女の子の可愛さはアップしたので

またファンタジー作品を描いて、「ダブルアーツ」で描き切れなかったところも読みたいと切に願います。

まとめ

上に挙げた作品以外にも、ヒット作を生み出した「食戟のソーマ」の附田祐斗先生や「斉木楠雄のΨ難」の麻生周一先生なども、かつてジャンプで打ち切りはありました。

個人的に「HUNGRY JOKER」や「四ツ谷先輩」「逢魔ヶ刻動物園」「ダブルアーツ」あたりはマンガとしての完成度が既に高いところまであったと思います。

連載デビューで長期に持っていけない理由としてはやはり週刊連載慣れがないことが一番の原因なんですかね。

ジャンプコミックスだけとってみても、ヒットしなかったけど読んでみると意外と面白いって作品はたくさんあると思います。

口コミに左右されずに色々手を出してみると新しい世界が開けるかも。